水虫(白癬)の種類と治療法:再発を防ぐケア方法
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスに代わるものではありません。健康上の問題については、必ず医師にご相談ください。編集ポリシー

水虫(白癬)の種類・症状・治療法・再発防止策を専門医監修で詳しく解説。外用薬・内服薬の選び方から日常ケアまで網羅した完全ガイドです。

水虫(白癬)は、白癬菌というカビの一種が皮膚や爪に感染することで起こる皮膚疾患です。日本人の約5人に1人が罹患しているとされ、特に夏場に症状が悪化しやすいことで知られています。本記事では、水虫の種類・症状・治療法・再発防止策について詳しく解説します。
水虫(白癬)とは何か:原因菌と感染の仕組み
水虫の原因は白癬菌(はくせんきん)と呼ばれる皮膚糸状菌です。白癬菌は高温多湿の環境を好み、足の指の間や爪の中など、蒸れやすい場所に繁殖します。感染した人の皮膚から剥がれ落ちた角質に白癬菌が付着しており、これを踏んだり触れたりすることで感染が広がります。
白癬菌が皮膚に付着しても、すぐに発症するわけではありません。菌が皮膚に定着するには約12〜24時間かかるとされており、この時間内に足を洗い流せば感染を防げる可能性があります。銭湯・プール・スポーツジムなどの公共施設は感染リスクが高い場所として知られています。
大正製薬の水虫(白癬菌)情報ページによると、白癬菌は環境中でも1ヶ月以上生存できるため、家庭内での二次感染にも注意が必要です。
水虫の種類と症状:足・爪・体部など
白癬は感染部位によって名称と症状が異なります。以下の表に主な種類をまとめました。
| 種類 | 感染部位 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 足白癬(水虫) | 足の指間・足底 | かゆみ、皮むけ、水ぶくれ |
| 爪白癬(爪水虫) | 爪 | 爪の変色・肥厚・変形 |
| 体部白癬(ぜにたむし) | 体幹・四肢 | 環状の赤い発疹、かゆみ |
| 股部白癬(いんきんたむし) | 股部・大腿内側 | 赤い環状発疹、強いかゆみ |
| 頭部白癬(しらくも) | 頭皮 | 円形の脱毛斑、フケ |
| 手白癬 | 手・指 | 皮むけ、かゆみ |
足白癬はさらに3つの型に分かれます。趾間型は指の間が白くふやけてむける最も一般的な型です。小水疱型は土踏まずや足の側面に小さな水ぶくれができ、強いかゆみを伴います。角質増殖型はかかとを中心に皮膚が厚くなりひび割れる型で、かゆみが少ないため気づきにくい特徴があります。
爪白癬は足白癬を長年放置した場合に発症しやすく、爪が黄白色・褐色に変色し、厚くなって崩れやすくなります。内服薬が必要なケースが多く、治療期間も長くなります。
水虫の診断方法:正確な診断の重要性
水虫に似た症状を示す皮膚疾患は多く、自己判断での市販薬使用は症状を悪化させる可能性があります。皮膚科では顕微鏡検査(KOH直接鏡検法)によって白癬菌の有無を確認します。
皮膚から採取した角質をKOH(水酸化カリウム)溶液で溶かして顕微鏡で観察し、菌糸や分節型胞子が見られれば白癬と診断されます。この検査は保険適用で、数分で結果が出ます。正確な診断を受けることで、適切な治療薬を選択できます。
渋谷駅前おおしま皮膚科の解説によると、爪白癬の場合は爪の組織を採取してより詳しく検査することもあります。
水虫の治療法:外用薬と内服薬の選び方
水虫の治療は抗真菌薬を使用します。症状の種類・重症度・感染部位によって外用薬か内服薬かを選択します。
外用薬(塗り薬)
足白癬の軽症〜中等症には、抗真菌成分を含む外用薬が第一選択です。代表的な成分には以下のものがあります:
- テルビナフィン(ラミシール):1日1回塗布、殺菌力が強い
- ルリコナゾール(ルリコン):1日1回塗布、広域スペクトル
- ラノコナゾール(アスタット):1日1〜2回塗布
症状が改善しても菌が残存しているため、最低3ヶ月間は継続塗布することが重要です。途中で止めると再発の原因になります。
内服薬(飲み薬)
爪白癬や角質増殖型の足白癬、難治性の場合は内服薬が必要です。
| 薬剤名 | 治療期間 | 特徴 |
|---|---|---|
| テルビナフィン(ラミシール錠) | 6ヶ月 | 連続内服 |
| イトラコナゾール(イトリゾール) | 3ヶ月 | パルス療法(1週服用・3週休薬を3サイクル) |
| ホスラブコナゾール(ネイリン) | 3ヶ月 | 連続内服、肝機能への影響が少ない |
内服薬は肝機能への影響があるため、定期的な血液検査が必要です。他の薬との相互作用にも注意が必要なので、必ず医師の処方のもとで使用してください。
みふねやまクリニックの解説によると、爪水虫では外用薬だけでは効果が不十分なことが多く、内服薬との併用が推奨される場合があります。
水虫の再発を防ぐケア方法:日常生活での予防策
水虫は治癒後も再感染しやすい疾患です。以下の予防・再発防止策を日常的に実践することが重要です。
日常ケアのポイント
足の清潔管理
- 毎日入浴時に足の指の間まで丁寧に洗う
- 洗う際は硬いブラシで力強くこすらない(皮膚を傷つけ感染リスクが上がる)
- 入浴後はタオルで足の指の間まで丁寧に乾燥させる
- 足が蒸れやすい場合は吸湿性の良い靴下(綿素材)を選ぶ
生活環境の管理
- スリッパ・バスマット・タオルは家族と共有しない
- バスマットは定期的に洗濯・乾燥させる
- 靴は毎日同じ靴を履かず、交互に使って乾燥させる
- 公共の浴場・プールの後は足を洗い、持参したタオルで拭く
家庭内感染防止
家族に水虫患者がいる場合、同じバスマットや共用スリッパから感染することがあります。患者本人の治療と並行して、家庭環境の衛生管理を徹底することが家族への二次感染防止につながります。
再発防止には、治療終了後も皮膚が正常に見えてから数ヶ月間、予防的なケアを継続することが推奨されます。

水虫に関連する皮膚疾患との違い
水虫と間違えやすい皮膚疾患には、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)・異汗性湿疹(汗疱)・接触皮膚炎などがあります。これらは抗真菌薬が効かないため、正確な診断が治療の前提となります。
また、水虫が悪化すると二次的な細菌感染(蜂窩織炎など)を引き起こすことがあります。足に赤み・腫れ・熱感・痛みが出た場合は速やかに皮膚科を受診してください。
皮膚疾患全般の基礎知識については皮膚疾患の種類と症状・治療ガイドをご参照ください。また、帯状疱疹など他の感染性皮膚疾患については帯状疱疹(ヘルペスゾスター)の症状と早期治療もご覧ください。
水虫の治療は根気が必要ですが、適切な治療と日常ケアを組み合わせることで、完治と再発防止を実現できます。自己判断での治療は症状を悪化させる可能性があるため、症状が続く場合は皮膚科専門医への相談をお勧めします。
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