歯列矯正の費用相場:種類別の料金と支払い方法
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスに代わるものではありません。健康上の問題については、必ず医師にご相談ください。編集ポリシー

歯列矯正の費用相場を矯正方法別に徹底比較。ワイヤー矯正・マウスピース矯正の料金、治療費の内訳、デンタルローンや分割払いなど支払い方法、医療費控除の活用法まで詳しく解説します。矯正費用を抑えるためのポイントも紹介。
歯列矯正の費用相場:種類別の料金と支払い方法
歯列矯正を検討する際に、多くの方が最初に気になるのが「いくらかかるのか」という費用の問題です。矯正治療は基本的に自由診療のため、クリニックによって料金体系が大きく異なり、治療の種類や難易度によっても費用は変動します。この記事では、矯正方法ごとの費用相場、治療費の内訳、そして無理なく支払うための方法について詳しく解説します。正確な情報を把握して、自分に合った矯正治療と支払いプランを見つけましょう。
歯列矯正の費用相場一覧:方法別の料金比較
歯列矯正にはさまざまな治療法があり、それぞれ費用が大きく異なります。以下の表で、主な矯正方法の費用相場を一覧で比較します。
| 矯正方法 | 費用相場 | 治療期間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ワイヤー矯正(表側) | 50万〜110万円 | 1〜3年 | 最も一般的で幅広い症例に対応 |
| ワイヤー矯正(裏側・舌側) | 81万〜160万円 | 1.5〜3年 | 外から見えにくいが高額 |
| ハーフリンガル矯正 | 74万〜130万円 | 1.5〜3年 | 上が裏側・下が表側の組み合わせ |
| マウスピース全体矯正 | 50万〜120万円 | 1〜3年 | 透明で目立たない、取り外し可能 |
| ワイヤー部分矯正 | 10万〜70万円 | 3ヶ月〜1年 | 前歯など一部のみ治療 |
| マウスピース部分矯正 | 11万〜70万円 | 3ヶ月〜1年 | 軽度の歯並び改善向け |
全体矯正の場合、費用の総額は60万〜170万円程度が一般的です。一方、前歯だけなど気になる箇所のみを治す部分矯正であれば、10万〜70万円と大幅にコストを抑えられます。ただし、部分矯正で対応できる症例は限られるため、まずは矯正専門医に相談することが大切です。
ワイヤー矯正の費用と特徴
ワイヤー矯正は歯列矯正の中で最も歴史が長く、幅広い症例に対応できる治療法です。金属製のブラケットとワイヤーを使って歯を動かしていきます。
表側矯正(ラビアル矯正)
表側矯正の費用相場は50万〜110万円です。最も標準的な矯正方法で、重度の不正咬合にも対応可能です。金属ブラケットのほか、目立ちにくいセラミックブラケットやクリアブラケットを選択することもでき、素材によって費用が変わります。セラミックブラケットの場合は金属よりも5万〜15万円ほど高くなる傾向があります。
裏側矯正(リンガル矯正)
裏側矯正の費用相場は81万〜160万円と、表側矯正よりも高額になります。歯の裏側にブラケットを装着するため、外見上は矯正装置がほとんど見えないのが最大のメリットです。ただし、技術的な難易度が高いため対応できるクリニックが限られ、治療期間もやや長くなることがあります。詳しくは裏側矯正の特徴ガイドもご参照ください。
ワイヤー矯正の特徴・費用・治療期間について、さらに詳しい情報をまとめています。
マウスピース矯正の費用と特徴
マウスピース矯正(インビザラインなど)は、透明なマウスピース型の装置を使って歯を徐々に動かす方法です。近年人気が高まっており、多くのクリニックで導入されています。
全体矯正の場合、費用相場は50万〜120万円です。装置が透明で目立たず、食事や歯磨きの際に取り外しができるのが大きなメリットです。一方、1日20〜22時間の装着が必要で、自己管理が求められます。
マウスピース部分矯正は11万〜70万円と、比較的手頃な価格から始められます。前歯の軽度なズレや隙間を治す場合に適しています。
ワイヤー矯正との違いについてはワイヤー矯正とマウスピース矯正の比較で詳しく解説していますので、どちらが自分に合うか迷っている方はぜひチェックしてみてください。
矯正治療費の内訳:治療費以外にかかるお金
歯列矯正では、装置の費用だけでなく、治療の各段階でさまざまな費用が発生します。事前に全体の費用構成を把握しておくことが重要です。

治療開始前にかかる費用
- 初診・カウンセリング料:無料〜5,000円(無料カウンセリングを実施するクリニックが増加中)
- 精密検査・診断料:1万〜5万円(レントゲン、歯型、口腔内写真などの検査費用)
- 診断料:1万〜3万円(検査結果をもとにした治療計画の作成費用)
治療中にかかる費用
- 矯正装置代:上記の相場表を参照
- 調整料(通院ごと):3,000円〜1万円/月(ワイヤー矯正の場合、月1回の通院が一般的)
- 抜歯費用:5,000円〜1万5,000円/本(矯正のために抜歯が必要な場合)
矯正期間が1〜3年とすると、調整料だけで10万〜30万円の追加費用がかかる計算です。通院費用も含めた総額で比較することが大切です。
治療後にかかる費用
- 保定装置(リテーナー)代:1万〜6万円/セット
- 保定期間中の通院料:3,000円〜5,000円/回(3〜6ヶ月ごと)
保定期間は約1〜2年が一般的で、リテーナーの重要性を理解し、後戻りを防ぐことが治療成功の鍵です。
歯列矯正は保険適用される?自由診療との違い
歯列矯正は原則として保険適用外(自由診療)です。そのため、クリニックごとに自由に料金を設定でき、同じ治療内容でも費用に大きな差が出ることがあります。

保険適用になるケース
以下の場合に限り、矯正治療が保険適用になることがあります。
- 顎変形症(外科手術を伴う矯正治療が必要な場合)
- 先天性疾患(口蓋裂、ダウン症候群など厚生労働大臣が定める疾患)
- 永久歯が3本以上生えてこない場合の矯正治療
保険適用で矯正を受ける場合は、自立支援医療機関や顎口腔機能診断施設の指定を受けたクリニックで治療する必要があります。
医療費控除の活用
自由診療であっても、医療費控除を利用すれば税金の還付を受けられる場合があります。年間の医療費が10万円を超えた場合に確定申告で申請でき、矯正治療が「噛み合わせの改善など機能的な問題の治療」と認められれば対象となります。
美容目的だけの矯正は対象外となるため、治療の目的を担当医と確認し、診断書を準備しておくことをおすすめします。
矯正費用の支払い方法:無理なく払うための選択肢
高額になりがちな矯正費用ですが、さまざまな支払い方法が用意されています。自分の経済状況に合わせて最適な方法を選びましょう。

一括払い
治療費を一度に全額支払う方法です。金利や手数料がかからないため総支払額が最も安くなります。まとまった資金がある方や、医療費控除の申請をシンプルにしたい方に向いています。一部のクリニックでは一括払いに割引を設けていることもあります。
クレジットカード払い
多くのクリニックがクレジットカード決済に対応しています。カード会社のポイントが貯まるのがメリットですが、分割払いを利用する場合は年利15%前後と金利が高くなるため注意が必要です。ボーナス一括払いなど手数料無料の支払い方法が使えるか確認しましょう。
デンタルローン(医療ローン)
歯科治療専用のローンで、クレジットカードの分割払いよりも低金利(年4.5%〜5.5%程度)で利用できます。最大84〜120回まで分割でき、月々の支払いを抑えられるのが特徴です。
| 借入額 | 分割回数 | 月々の支払い(年利5%の場合) | 総支払額 |
|---|---|---|---|
| 80万円 | 36回(3年) | 約24,000円 | 約86万円 |
| 80万円 | 60回(5年) | 約15,100円 | 約91万円 |
| 80万円 | 84回(7年) | 約11,300円 | 約95万円 |
※上記は概算であり、実際の金額はローン会社や条件により異なります。
デンタルローンは審査があるため、安定した収入や信用情報が求められます。学生の場合は親権者の同意が必要になることが一般的です。
参考:東京日本橋M&Aアソシエイツ矯正歯科 デンタルローン解説
院内分割払い
クリニック独自の分割システムで、金利・手数料が無料のケースが多いのが最大の魅力です。分割回数はクリニックによりますが、2〜12回程度が一般的です。審査不要で手続きも簡単ですが、分割回数が少ないため月々の負担は大きくなります。
トータルフィー制度(パッケージ料金)
一部のクリニックでは、検査・装置・調整料・保定装置代をすべて含めたトータルフィー(総額制)を採用しています。追加費用の心配がなく、最終的な支払い総額が明確にわかるため安心です。ただし、初期費用が高めに設定されていることが多いため、他の料金体系と総額で比較しましょう。
矯正費用を抑えるためのポイント
少しでも矯正費用を抑えたい方のために、実践的なアドバイスをご紹介します。

複数のクリニックで見積もりを取る
同じ治療方法でも、クリニックによって料金は大きく異なります。最低でも2〜3箇所のクリニックで初診カウンセリングを受け、治療計画と費用の見積もりを比較することが重要です。無料カウンセリングを実施しているクリニックも増えているので、積極的に活用しましょう。矯正歯科の選び方の記事もぜひ参考にしてください。
部分矯正を検討する
歯並びの問題が軽度で一部の歯だけの矯正で済む場合は、部分矯正を選ぶことで費用を大幅に抑えられます。部分矯正なら10万〜70万円程度と、全体矯正と比べて半分以下の費用で治療できることもあります。
医療費控除を必ず申請する
機能的な問題の改善を伴う矯正治療は医療費控除の対象になります。所得に応じて10〜45%の税金還付を受けられるため、年間の医療費をしっかり記録し、確定申告を忘れずに行いましょう。交通費も控除対象になるので、領収書は必ず保管してください。
トータルフィーのクリニックを選ぶ
総額制のクリニックなら追加費用を気にする必要がなく、最終的な出費が事前に把握できます。「安いと思ったら調整料で結局高くなった」という失敗を避けられます。
まとめ:自分に合った矯正方法と支払いプランを見つけよう
歯列矯正の費用は、治療方法や歯の状態によって大きく異なりますが、全体矯正で60万〜170万円、部分矯正で10万〜70万円が目安です。日本では12〜20歳の若者の約60%に歯並びの不整があるとされる一方で、矯正治療を受けた経験がある方は約21%にとどまっており、費用面がハードルとなっている方も少なくありません。
費用だけでなく、治療の質やクリニックとの相性も重要です。複数のクリニックでカウンセリングを受け、費用・治療計画・支払い方法を総合的に比較して、後悔のない選択をしてください。歯並び矯正の完全ガイドでは矯正全般について網羅的にまとめていますので、併せてご覧ください。
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