心電図検査の異常と不整脈:健康診断で指摘されたら
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスに代わるものではありません。健康上の問題については、必ず医師にご相談ください。編集ポリシー

健康診断の心電図で異常を指摘された方へ。不整脈の種類と危険度、精密検査の内容と費用、受診すべき診療科を分かりやすく解説します。
心電図検査の異常と不整脈:健康診断で指摘されたら
健康診断の心電図検査で「異常あり」と指摘されると不安になりますが、大石内科循環器科医院によると、精密検査の結果、要経過観察で済むケースがほとんどです。しかし、中には重大な心疾患が隠れている場合もあるため、自己判断せず必ず専門医を受診することが重要です。東京メディカルクリニックの解説では、心電図検査で見つかる主な異常として不整脈と虚血性心疾患の2つが挙げられています。

心電図検査とは
心電図検査は、心臓が収縮する際に発生する電気信号を記録する検査です。手首・足首・胸に電極を付け、数分間安静にするだけで終わります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 検査時間 | 5〜10分 |
| 痛み | なし |
| 準備 | 特になし(リラックスして受ける) |
| わかること | 不整脈、虚血性心疾患、心筋症、電解質異常 |
| 限界 | 検査時の数分間しか記録できない |
心電図で見つかる主な異常
長良内科クリニックの解説をもとに、心電図異常の種類を整理します。
| 異常の種類 | 具体的な所見 | 緊急度 |
|---|---|---|
| 不整脈 | 期外収縮、心房細動、頻脈、徐脈 | 種類により異なる |
| 虚血性心疾患 | ST変化、T波異常 | 高い(精密検査必要) |
| 伝導障害 | 右脚ブロック、左脚ブロック | 中程度 |
| 心筋肥大 | 左室肥大、右室肥大 | 中程度 |
| その他 | QT延長、ブルガダ型 | 種類により異なる |
不整脈の種類と危険度
不整脈には多くの種類があり、危険度もさまざまです。心臓血管研究所の情報をもとに整理します。
| 不整脈の種類 | 症状 | 危険度 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 洞性不整脈 | 自覚症状なし | 低い | 経過観察(正常の範囲) |
| 期外収縮(心室・上室) | 動悸、脈が飛ぶ感覚 | 低〜中 | 頻度が少なければ経過観察 |
| 洞性徐脈 | めまい、疲労感 | 低〜中 | スポーツマンでは正常 |
| 洞性頻脈 | 動悸、息切れ | 低〜中 | 原因検索(貧血、甲状腺等) |
| 心房細動 | 動悸、脈の不整 | 高い | 脳梗塞のリスク、治療必要 |
| 心室頻拍 | 動悸、失神 | 非常に高い | 緊急受診 |
| WPW症候群 | 突然の頻脈 | 中〜高 | 精密検査必要 |
| ブルガダ症候群 | 無症状〜失神 | 非常に高い | 突然死リスク、専門治療 |
重要:のぞみ診療所によると、健康な成人の98.7%に期外収縮が見つかるとの研究があり、不整脈の約9割は心配のない部類です。

ST変化・T波異常(虚血性心疾患の疑い)
心電図のST部分やT波に異常がある場合、心臓への血流が不足している(虚血)可能性があります。
| 所見 | 意味 | 疑われる疾患 |
|---|---|---|
| ST低下 | 心筋の虚血 | 狭心症 |
| ST上昇 | 心筋の急性障害 | 急性心筋梗塞 |
| T波の陰転化 | 心筋の慢性虚血 | 慢性虚血性心疾患 |
| 異常Q波 | 過去の心筋壊死 | 陳旧性心筋梗塞 |
精密検査の種類
ミッドタウンクリニック名駅の情報によると、心電図異常で行われる精密検査は以下のとおりです。
| 検査名 | 目的 | 費用目安(3割負担) |
|---|---|---|
| 心臓超音波(心エコー) | 心臓の構造・動きの評価 | 3,000〜8,000円 |
| ホルター心電図(24時間) | 日常生活中の不整脈の記録 | 5,000〜10,000円 |
| 運動負荷心電図 | 運動時の虚血の評価 | 3,000〜6,000円 |
| 冠動脈CT | 冠動脈の狭窄・石灰化の評価 | 10,000〜20,000円 |
| 心臓カテーテル検査 | 冠動脈の直接的な評価 | 30,000〜80,000円 |
心電図異常の原因(心臓以外)
心電図の異常は、必ずしも心臓の病気を意味しません。
| 心臓以外の原因 | 影響する心電図所見 |
|---|---|
| ストレス・緊張 | 洞性頻脈、ST変化 |
| 睡眠不足 | 期外収縮の増加 |
| カフェインの過剰摂取 | 頻脈、期外収縮 |
| 甲状腺機能異常 | 頻脈、心房細動 |
| 電解質異常 | QT延長、不整脈 |
| 貧血 | 洞性頻脈 |
指摘されたらどうすればよいか
- 結果表を確認:どの所見が指摘されているか確認する
- 判定区分を確認:B判定(軽度異常)かD判定(要精密検査)か
- 循環器内科を受診:D判定の場合は早めに受診
- 自覚症状があれば速やかに受診:動悸・息切れ・失神・胸痛がある場合
まとめ
健康診断の心電図で異常を指摘されても、多くは経過観察で済むケースがほとんどです。しかし、心房細動やST変化など、重大な心疾患のサインを見逃さないためにも、精密検査が必要と判断された場合は必ず循環器内科を受診してください。
検査項目全般については健康診断の検査項目一覧と基準値を、再検査の対応は健康診断で「要再検査」と言われたらを、健康診断の全体像は健康診断の完全ガイドをご覧ください。
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