低用量ピルとは?種類と効果をわかりやすく解説
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスに代わるものではありません。健康上の問題については、必ず医師にご相談ください。編集ポリシー

低用量ピルの基本的な仕組み、第1〜第4世代の種類と特徴、一相性と三相性の違い、避妊以外の効果を初心者にもわかりやすく解説します。自分に合ったピルの選び方もご紹介。

低用量ピルという名前は聞いたことがあっても、具体的にどんな薬なのか、どのような種類があるのか分からないという方は多いのではないでしょうか。この記事では、低用量ピルの基本的な仕組みから、世代別・相性別の種類、それぞれの効果の違いまで、初めての方にもわかりやすく解説します。
低用量ピルとは?基本的な定義
低用量ピルとは、卵巣で作られるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンを配合した経口薬です。ピルの中でもエストロゲンの含有量が50μg未満のものを「低用量ピル」と呼びます。
ピルはエストロゲンの含有量によって以下のように分類されます:
| 分類 | エストロゲン含有量 | 特徴 |
|---|---|---|
| 高用量ピル | 50μg以上 | 現在はほぼ使用されない |
| 中用量ピル | 50μg | 月経移動に使用 |
| 低用量ピル(OC/LEP) | 30〜40μg | 最も一般的 |
| 超低用量ピル(ULD) | 20μg | 副作用が少ない |
日本では1999年に低用量ピルが避妊目的で承認され、2008年には月経困難症の治療薬としても保険適用されるようになりました。低用量ピルの全体像については低用量ピルの完全ガイドもご参照ください。
低用量ピルの3つの作用メカニズム
低用量ピルは、以下の3つのメカニズムによって効果を発揮します。
1. 排卵の抑制
ピルに含まれるホルモンが脳の視床下部と下垂体に作用し、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の分泌を抑制します。これにより排卵が起こらなくなります。
2. 子宮内膜への作用
子宮内膜の増殖を抑え、薄い状態を維持することで、万が一排卵が起きても受精卵が着床しにくい環境を作ります。銀座まいにちクリニックによると、この作用が経血量の減少にもつながります。
3. 子宮頸管粘液の変化
子宮頸管の粘液を粘稠にし、精子が子宮内に侵入しにくくします。
世代別の種類と特徴
低用量ピルは含まれる黄体ホルモン(プロゲスチン)の種類によって4世代に分類されます。プライベートクリニック高田馬場の解説を参考に、各世代の特徴をまとめました。
第1世代(ノルエチステロン系)
- 黄体ホルモン:ノルエチステロン
- 代表的な製品:シンフェーズ、ルナベルLD/ULD
- 特徴:最も歴史が長い世代。経血量を減らす効果に優れ、月経困難症のコントロールに適しています
- 注意点:不正出血がやや起こりやすい
第2世代(レボノルゲストレル系)
- 黄体ホルモン:レボノルゲストレル
- 代表的な製品:トリキュラー、ラベルフィーユ、アンジュ
- 特徴:不正出血が起こりにくく、安定した月経周期を作りやすい。三相性製剤が多い
- 注意点:男性ホルモン活性がやや強く、ニキビが出やすい場合がある
第3世代(デソゲストレル系)
- 黄体ホルモン:デソゲストレル
- 代表的な製品:マーベロン、ファボワール
- 特徴:男性ホルモン活性が抑えられ、ニキビや肌荒れの改善効果が期待できる。一相性製剤
- 注意点:不正出血がやや起こりやすい場合がある
第4世代(ドロスピレノン系)
- 黄体ホルモン:ドロスピレノン
- 代表的な製品:ヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチ
- 特徴:超低用量(エストロゲン20μg)で副作用が少ない。むくみが出にくく、月経困難症治療に特化
- 注意点:主に保険適用(LEP)として処方。利尿作用があるため腎機能に注意
各種類の詳しい比較については低用量ピルの種類比較:マーベロン・トリキュラー・ファボワールをご覧ください。
一相性と三相性の違い
低用量ピルは、1シート中のホルモン配合量の変化パターンによっても分類されます。スマルナの解説を参考にまとめます。
| 項目 | 一相性 | 三相性 |
|---|---|---|
| ホルモン量 | 全ての錠剤で同じ | 3段階に変化 |
| 代表的な製品 | マーベロン、ファボワール | トリキュラー、アンジュ |
| メリット | 飲む順番を間違えても問題ない | 自然なホルモン変動に近い |
| ニキビへの効果 | 高い | 普通 |
| 身体への負担 | 普通 | やや少ない |
一相性と三相性で避妊効果に違いはありません。ただし、一相性はニキビや肌荒れに対する効果が高く、三相性は生理周期に合わせてホルモン量が調整されるため身体への負担がより小さいという違いがあります。
低用量ピルの主な効果一覧
低用量ピルには避妊効果以外にもさまざまな効果があります。
| 効果 | 詳細 | 関連記事 |
|---|---|---|
| 避妊 | 正しく服用で99.7%の成功率 | 避妊効果と正しい飲み方 |
| 生理痛の緩和 | 子宮内膜が薄くなり経血量減少 | 生理痛と月経困難症の治療 |
| PMS改善 | ホルモン変動を安定化 | PMSの症状改善 |
| ニキビ改善 | 男性ホルモンの抑制 | ニキビと肌荒れ改善 |
| 月経周期の安定 | 規則的な28日周期に | - |
| がんリスク低減 | 卵巣がん・子宮体がんリスク低下 | - |
OC(自費ピル)とLEP(保険適用ピル)の違い
低用量ピルは処方の目的によって2種類に大別されます。
- OC(Oral Contraceptives):避妊を目的とした自費処方のピル
- LEP(Low dose Estrogen Progestin):月経困難症・子宮内膜症の治療を目的とした保険適用のピル
薬の成分自体は同じものもありますが、保険が適用されるかどうかで費用が大きく異なります。費用の詳細は低用量ピルの費用:保険適用と自費処方の違いをご確認ください。
自分に合ったピルの選び方
ピルの選択は、以下のポイントを考慮して医師と相談しながら決めましょう。
- ニキビや肌荒れが気になる方 → 第3世代(マーベロン、ファボワール)
- 不正出血を避けたい方 → 第2世代(トリキュラー)
- むくみが気になる方 → 第4世代(ヤーズ)
- 生理痛がひどい方 → 第1世代(ルナベル)または第4世代(ヤーズ)
- 飲み忘れが心配な方 → 一相性(順番を気にしなくてよい)
初めてのピル処方については低用量ピルの服用を始める方法で詳しく解説しています。

まとめ
低用量ピルは世代や相性によって特徴が異なり、自分の体質や目的に合ったものを選ぶことが重要です。避妊だけでなく、生理痛やPMS、ニキビなど様々な症状の改善にも効果があります。副作用やリスクについては低用量ピルの副作用と対処法で詳しく解説していますので、併せてお読みください。
注意: この記事は一般的な情報提供を目的としています。ピルの選択・服用については必ず医師にご相談ください。
参考文献:
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