血液検査の見方:コレステロール・血糖値・肝機能の意味
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスに代わるものではありません。健康上の問題については、必ず医師にご相談ください。編集ポリシー

血液検査のコレステロール・血糖値・肝機能の数値の見方を詳しく解説。基準値・異常値の意味と対処法、生活改善のポイントを紹介します。
血液検査の見方:コレステロール・血糖値・肝機能の意味
血液検査は健康診断で最も多くの情報が得られる検査項目です。日本予防医学協会によると、血液検査では貧血・肝臓の異常・腎臓の異常・脂質異常症・糖尿病など、多くの病気を早期に発見できます。しかし、結果表に並ぶ数値の意味を正しく理解できている方は少ないのが現状です。本記事では、血液検査の主要項目であるコレステロール・血糖値・肝機能の数値を分かりやすく解説します。

コレステロール検査の見方
コレステロールは動脈硬化のリスク評価に不可欠な指標です。東京メディカルクリニックの解説を参考に、各項目の意味を説明します。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
LDLコレステロールは血管壁に蓄積し、動脈硬化を進行させる「悪玉」です。心筋梗塞や脳梗塞の直接的な原因となります。
| 数値範囲 | 判定 | 対応 |
|---|---|---|
| 60〜119mg/dL | 基準範囲内 | 問題なし |
| 120〜139mg/dL | 境界域 | 生活習慣の見直し |
| 140〜179mg/dL | 高値 | 食事療法・運動療法 |
| 180mg/dL以上 | 著しい高値 | 医師の診察・薬物療法検討 |
HDLコレステロール(善玉コレステロール)
HDLコレステロールは血液中の余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す「善玉」です。低いと動脈硬化のリスクが高まります。
| 数値範囲 | 判定 | 対応 |
|---|---|---|
| 40mg/dL以上 | 基準範囲内 | 問題なし |
| 35〜39mg/dL | 低値 | 運動習慣の改善 |
| 34mg/dL以下 | 著しい低値 | 医師の診察が必要 |
中性脂肪(トリグリセリド・TG)
中性脂肪はエネルギー源として重要ですが、過剰になると動脈硬化やすい臓炎の原因となります。食事の影響を強く受けるため、検査前の12時間以上の絶食が重要です。
| 数値範囲 | 判定 | 対応 |
|---|---|---|
| 30〜149mg/dL | 基準範囲内 | 問題なし |
| 150〜299mg/dL | 高値 | 食事改善・運動 |
| 300〜499mg/dL | 著しい高値 | 医師の診察 |
| 500mg/dL以上 | 極めて高値 | すい臓炎リスク、緊急受診 |
コレステロールを下げるための食事としては、青魚(EPA・DHA)、食物繊維の多い野菜、大豆製品の積極的な摂取が推奨されます。
血糖値検査の見方
血糖値は糖尿病のスクリーニングに最も重要な指標です。厚生労働省の特定健診基準値に基づく判定基準は以下のとおりです。
空腹時血糖
空腹時血糖は、10時間以上の絶食後に測定します。
| 数値範囲 | 判定 | 意味 |
|---|---|---|
| 99mg/dL以下 | 正常 | 問題なし |
| 100〜109mg/dL | 正常高値 | 糖尿病予備群の可能性 |
| 110〜125mg/dL | 境界型 | 糖尿病予備群(IGT) |
| 126mg/dL以上 | 糖尿病型 | 糖尿病の可能性が高い |
HbA1c(ヘモグロビンA1c)
HbA1cは過去1〜2ヶ月の平均的な血糖コントロール状態を反映します。前日の食事の影響を受けない点が特徴です。
| 数値範囲 | 判定 | 意味 |
|---|---|---|
| 5.5%以下 | 正常 | 良好な血糖コントロール |
| 5.6〜5.9% | 正常高値 | 生活習慣の改善を |
| 6.0〜6.4% | 糖尿病予備群 | 医師の診察推奨 |
| 6.5%以上 | 糖尿病型 | 治療が必要な可能性 |

肝機能検査の見方
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、かなりの損傷を受けても自覚症状が現れにくいのが特徴です。血液検査で肝臓の状態をチェックすることが極めて重要です。
AST(GOT)とALT(GPT)
AST・ALTはともに肝細胞に含まれる酵素です。肝細胞が壊れると血液中に放出されるため、肝臓の障害を反映します。
| 検査項目 | 基準値 | 軽度異常 | 中等度異常 | 重度異常 |
|---|---|---|---|---|
| AST(GOT) | 30U/L以下 | 31〜50U/L | 51〜100U/L | 101U/L以上 |
| ALT(GPT) | 30U/L以下 | 31〜50U/L | 51〜100U/L | 101U/L以上 |
AST > ALTの場合:アルコール性肝障害、心筋梗塞の可能性
ALT > ASTの場合:脂肪肝、慢性肝炎の可能性
γ-GTP
γ-GTPは特にアルコールの影響を受けやすい酵素です。飲酒習慣がある方は要注意です。
| 数値範囲 | 判定 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 50U/L以下 | 正常 | 問題なし |
| 51〜100U/L | 軽度上昇 | 飲酒、脂肪肝 |
| 101〜200U/L | 中等度上昇 | アルコール性肝障害、胆道系疾患 |
| 200U/L以上 | 重度上昇 | 肝硬変、胆管閉塞 |
異常値が出た場合の対処法
血液検査で異常値が出た場合は、まず健康診断で「要再検査」と言われたらを参考に、適切な対応を取りましょう。
すぐに受診すべきケース:
- 空腹時血糖126mg/dL以上かつHbA1c6.5%以上
- LDLコレステロール180mg/dL以上
- AST・ALTが100U/L以上
- 複数の項目で異常値が出ている
生活習慣の改善で対応できるケース:
- 軽度の脂質異常(LDL120〜159mg/dL)
- 血糖値が境界域(100〜125mg/dL)
- γ-GTPの軽度上昇(飲酒が原因の場合)
生活改善のプランについては、健康診断結果を活用した生活改善プランをご参照ください。
まとめ
血液検査は、自覚症状がない段階で病気のリスクを発見できる非常に優れた検査です。コレステロール・血糖値・肝機能の3つは生活習慣病の早期発見に不可欠であり、基準値を正しく理解することが健康管理の第一歩です。
基準値の全体像については健康診断の検査項目一覧と基準値を、検査全般については健康診断の完全ガイドをご覧ください。
関連記事

健康診断に関するよくある質問:産業医が回答するQ&A
健康診断に関するよくある質問20選を産業医の視点から回答。受診義務、費用負担、結果の見方、再検査の必要性など疑問を解消します。
続きを読む →
健康診断結果を活用した生活改善プランの作り方
健康診断結果に基づく生活改善プランの作り方を解説。血圧・血糖・脂質・肝機能の異常項目別に、食事と運動の具体的な改善方法を紹介します。
続きを読む →
オンライン健康診断と遠隔医療の最新動向
オンライン健康診断と遠隔医療の最新動向を解説。PHR、AI画像診断、ウェアラブルデバイスの活用、医療DXの今後の展望を紹介します。
続きを読む →
レントゲン・CT・MRIの違いと健康診断での活用
レントゲン・CT・MRIの違いを原理、被ばく量、検査時間、費用、得意分野の観点から比較。健康診断・人間ドックでの使い分けも解説します。
続きを読む →
心電図検査の異常と不整脈:健康診断で指摘されたら
健康診断の心電図で異常を指摘された方へ。不整脈の種類と危険度、精密検査の内容と費用、受診すべき診療科を分かりやすく解説します。
続きを読む →
尿検査の見方:蛋白・糖・潜血が出る原因と対処法
尿検査の蛋白・糖・潜血の基準値と異常が出る原因を解説。腎臓病・糖尿病・泌尿器疾患の早期発見のための正しい読み方と対処法を紹介します。
続きを読む →