がん検診の種類と受けるべき年齢・頻度のガイド
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厚生労働省推奨のがん検診5種類(胃・肺・大腸・乳・子宮頸)の対象年齢、受診頻度、検査方法を解説。任意で受けられるオプション検査も紹介。
がん検診の種類と受けるべき年齢・頻度のガイド
日本人の2人に1人ががんにかかる時代、がん検診は早期発見・早期治療のための最も有効な手段です。厚生労働省では、科学的根拠に基づくがん検診として、胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がんの5つを推奨しています。がん対策推進基本計画(第4期・令和5年)では、がん検診受診率60%以上の達成を目標に掲げています。本記事では、各がん検診の種類・推奨年齢・受診頻度を詳しく解説します。

厚生労働省が推奨する5つのがん検診
国立がん研究センターによると、科学的に有効性が証明されたがん検診は以下の5つです。
| がんの種類 | 検査方法 | 対象年齢 | 受診頻度 | 費用目安(自治体) |
|---|---|---|---|---|
| 胃がん | 胃部X線検査または胃内視鏡検査 | 50歳以上 | 2年に1回 | 無料〜3,000円 |
| 肺がん | 胸部X線検査+喀痰細胞診 | 40歳以上 | 年1回 | 無料〜1,000円 |
| 大腸がん | 便潜血検査(免疫法2日法) | 40歳以上 | 年1回 | 無料〜1,000円 |
| 乳がん | マンモグラフィ | 40歳以上の女性 | 2年に1回 | 無料〜2,000円 |
| 子宮頸がん | 子宮頸部細胞診 | 20歳以上の女性 | 2年に1回 | 無料〜2,000円 |
日本医師会でも、上記5つのがん検診について詳しい情報を提供しています。
胃がん検診の詳細
胃がんは日本人に多いがんの一つです。2016年の指針改定により、胃がん検診の対象年齢は50歳以上に引き上げられ、胃内視鏡検査(胃カメラ)も選択肢に加わりました。
| 検査方法 | メリット | デメリット | 精度 |
|---|---|---|---|
| 胃部X線(バリウム) | 広範囲を一度に観察 | 被ばく、バリウムの負担 | やや低い |
| 胃内視鏡(胃カメラ) | 直接観察、組織採取可能 | 苦痛を伴う場合あり | 高い |
胃カメラの詳しい準備方法は胃カメラ・大腸カメラの検査内容と準備をご覧ください。
大腸がん検診の詳細
大腸がんは近年増加傾向にあり、がんによる死亡原因の上位に位置しています。2024年には大腸がん検診ガイドラインが19年ぶりに改訂され、対策型検診の終了年齢は74歳が妥当とされました。
- 一次検査:便潜血検査(免疫法2日法)- 自宅で採取し提出
- 精密検査:大腸内視鏡検査(大腸カメラ)- 便潜血陽性の場合
便潜血検査で陽性が出た場合、大腸がんが見つかる確率は約3〜4%です。残りの多くはポリープや痔などの良性疾患ですが、必ず精密検査を受けてください。

肺がん検診の詳細
肺がんは日本人のがん死亡原因の第1位です。喫煙者は特にリスクが高いため、必ず検診を受けましょう。
| 検査方法 | 対象者 | 内容 |
|---|---|---|
| 胸部X線検査 | 40歳以上全員 | 正面からのレントゲン撮影 |
| 喀痰細胞診 | 50歳以上のハイリスク者 | 痰の中のがん細胞を調べる |
| 低線量CT(任意) | ヘビースモーカー | より精密なスクリーニング |
レントゲン・CT・MRIの違いについては別記事をご覧ください。
乳がん検診と子宮頸がん検診
女性特有のがん検診は、早期発見により治癒率が非常に高い検査です。詳しくは女性特有の健康診断項目:乳がん・子宮がん検診をご覧ください。
| 検査 | 推奨年齢 | 方法 | 発見率 |
|---|---|---|---|
| 乳がん(マンモグラフィ) | 40歳以上 | 乳房のX線撮影 | 0.3〜0.5% |
| 乳がん(超音波) | 30〜40代 | 乳房の超音波検査 | 高密度乳房に有効 |
| 子宮頸がん | 20歳以上 | 細胞診(ブラシで細胞採取) | 0.05〜0.1% |
| 子宮頸がん(HPV検査) | 30歳以上 | HPVウイルスの有無を検査 | 感度が高い |
任意で受けられるがん検診
厚生労働省の推奨5検診以外にも、リスクに応じて受けられるがん検診があります。
| がんの種類 | 検査方法 | 推奨される方 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 前立腺がん | PSA検査(血液) | 50歳以上の男性 | 2,000〜5,000円 |
| 肝臓がん | 腹部超音波+血液検査 | B型・C型肝炎キャリア | 5,000〜10,000円 |
| 膵臓がん | 腹部超音波・CT | 家族歴のある方 | 10,000〜30,000円 |
| 甲状腺がん | 超音波検査 | 首にしこりがある方 | 3,000〜5,000円 |
がん検診を受ける際の注意点
- 症状がある場合は検診ではなく、すぐに医療機関を受診する
- 検診で「異常なし」でも、100%がんがないとは言い切れない
- 偽陽性(がんではないのに陽性と出ること)の可能性もある
- 過剰診断のリスクも理解した上で受診する
まとめ
がん検診は、がんの早期発見・早期治療に最も有効な方法です。厚生労働省が推奨する5つのがん検診を、対象年齢に達したら定期的に受診しましょう。
健康診断の全体像については健康診断の完全ガイドを、費用については健康診断の費用をご覧ください。
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